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10分で解説!シャンパーニュの基礎知識

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こんにちは!ワインソムリエのさくらです。

今回のテーマは、世界中から愛される「シャンパーニュ」です。
ワイン初心者でも分かりやすく、シャンパーニュの基本的な知識について解説します。

今回の記事でわかること
  • シャンパーニュの種類
  • シャンパーニュの造り方
  • 知っておきたいシャンパーニュ

基本的な知識を身につけることで、より美味しくシャンパーニュを飲むことができます。
それではさっそく見ていきましょう。

シャンパーニュってなに?

シャンパーニュとは、シャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインの名称です。
よくある間違いで「スパークリングワイン=シャンパーニュ」と思われる方が多いですが、シャンパーニュと呼べるものは、シャンパーニュ地方で造られたものだけに限ります。

ほかにも、シャンパーニュを名乗るためには、いくつかの厳しい条件を満たす必要があるのです。

シャンパーニュの主な規定
  • ブドウは手摘みでの収穫に限られる
  • シャンパーニュ製法(瓶内二次発酵)で造らなければならない
  • 長い熟成期間を要する(ノンヴィンテージで最低15ヶ月)

シャンパーニュに使われるブドウ品種

シャンパーニュに使用される主な品種は3つあり、これらをブレンドしてバランスの良い味わいに仕上げています。

ブドウ品種特徴
シャルドネ(白ブドウ)繊細さと軽快さを与える
ピノ・ノワール(黒ブドウ)力強さと芳醇なボディをもたらす
ムニエ(黒ブドウ)豊かな果実味を与える
さくら
さくら

シャンパーニュ造りに認められているブドウは全部で7品種です。

シャンパーニュの種類

基本的なタイプは、ノンヴィンテージ・シャンパーニュです。その他にもシャンパーニュにはいくつか種類があるので、それぞれ特徴を押さえておきましょう。

シャンパーニュの種類特徴
ノンヴィンテージ複数の収穫年のワインをブレンドするタイプ。ブレンドをすることにより、毎年安定した品質のシャンパーニュを造ることができる。
ヴィンテージ単一収穫年のブドウのみで造るシャンパーニュ。ブドウの出来が良い優良年に造られることが多く、味わいの個性が出る。
プレステージキュヴェ明確な規定はないが、(*)各メゾンのトップキュヴェ(最高品質のシャンパーニュ)を表すことが多い。
ブラン・ド・ブラン白ブドウのみから造られるシャンパーニュ。ほとんどがシャルドネ100%で造られる。
ブラン・ド・ノワール黒ブドウ100%で造られるシャンパーニュ。ピノ・ノワールムニエが使用される。
ロゼ・シャンパーニュピンク色のシャンパーニュで、白ワインと赤ワインを混ぜて造られる。

(*)メゾンとは、シャンパーニュを造る生産者のこと

ポイント

シャンパーニュには熟成規定があり、ノンヴィンテージは最低15ヶ月ヴィンテージは36ヶ月瓶内熟成が義務付けられています。

シャンパーニュの甘辛度

シャンパーニュにはどのくらい辛口か、または甘口なのかを示す「甘辛度表記」というものがあります。シャンパーニュのラベルに甘辛度が表記されているので、選ぶときのポイントにして見てください。

シャンパーニュの甘辛度表記
さくら
さくら

Brut(ブリュット)が各メゾンのスタンダード・シャンパーニュになっていることが多いです。

シャンパーニュの醸造方法

ここではシャンパーニュの造り方について解説していきます。シャンパーニュは完成までに様々な工程があるので、それぞれ順番に見ていきましょう。

収穫

9月半ばから10月初め頃にブドウの収穫が行われます。ブドウの収穫は手摘みに限られ、機械を使うことはできません。

圧搾

収穫されたブドウは、圧搾機を使ってブドウ果汁を搾ります。ブドウ果汁は「1番搾り」「2番搾り」に分けられ、4,000キロのブドウから1番搾りは2,050リットルまで、2番搾りでは500リットルまでしか搾ってはいけないと決められています。

アルコール発酵

丁寧に搾られたブドウ果汁は「畑」「品種」ごとに分類され、ステンレスタンクや木樽でアルコール発酵(一次発酵)を行い(*)スティルワインを造ります。

(*)スティルワイン…泡のない白ワインや赤ワインの総称。泡のあるワインはスパークリングワインと呼ぶ。

調合

フランス語で「アッサンブラージュ」と言い、品種の異なるスティルワインを調合します。過去に保存していた複数の収穫年のワインを組み合わせることにより、毎年同じ味わいのシャンパーニュを造ることができるのです。

瓶詰・瓶内二次発酵

調合したスティルワインに糖分酵母を加え瓶詰め(フランス語でティラージュ)します。これにより瓶の中で2回目のアルコール発酵が起き、炭酸ガスが発生。密閉した瓶内で行われるため、逃げ場のなくなった炭酸ガスはワインの中に溶け込みます。

瓶内熟成

二次発酵後は滓と共に瓶内で熟成をさせます。熟成期間はノンヴィンテージで15ヶ月以上ヴィンテージで36ヶ月以上と定められています。

(*)滓(おり)…役目を終えた酵母のこと。

動瓶

熟成後は瓶内の滓を抜き取るため、動瓶(フランス語でルミュアージュ)という作業を行います。ピュピトルと呼ばれる穴の空いた木の板にボトルを逆さに立て、毎日1/8ずつくらい回転させ、5〜6週間かけて滓を瓶の口のほうへ集めていきます。

滓抜き

次にルミュアージュによって瓶口に集めた滓を取り除きます。まず瓶口をマイナス20℃以下の溶液に浸け滓の部分を凍らせます。その後栓を抜くことで、瓶内のガス圧により凍った滓の塊がポンと飛び出す仕組みです。この滓抜きの作業を「デゴルジュマン」と言います。

糖分調整

滓抜き後は甘みを調整するため、ドザージュといってシャンパーニュに「門出のリキュール」と呼ばれるワインに糖分を加えた液体を添加します。これによってシャンパーニュの甘辛度が決まります。

打栓

最後にコルクを打ち込み、ミュズレと呼ばれる針金で留めて、ラベルを貼り付けたらシャンパーニュの完成です。

シャンパーニュの醸造方法
  • 収穫
  • 圧搾
  • アルコール発酵
  • 調合
  • 瓶詰・瓶内二次発酵
  • 瓶内熟成
  • 動瓶
  • 滓抜き
  • 糖分調整
  • 打栓

知っておきたいシャンパーニュ

シャンパーニュには数多くの有名生産者が存在します。各メゾンによって特徴が異なり、それぞれ個性豊かな味わいを楽しめます。今回はそんな中でも一際目立つ、知っておきたいシャンパーニュを3つ紹介します。

クリスタル

クリスタルは1776年に設立した老舗メゾン「ルイ・ロデレール」が手がけるプレステージキュヴェ。ロシア皇帝アレクサンドル2世の要望により誕生した銘柄で、ブドウの出来が良い優良年のみ造られる特別なシャンパーニュです。

ドン ペリニヨン

ドン・ピエール・ペリニヨンによって創設されたドン ペリニヨンは、「世界最高のワインを造る」という信念の元、シャンパーニュ界に多くの功績を残しました。ヴィンテージ・シャンパーニュだけを造る強いこだわりを持った、高品質なシャンパーニュです。

クリュッグ

クリュッグの創業者ヨーゼフ・クリュッグのヴィジョンと哲学を受け継ぎ、1843年の創業以来、伝統の製法を忠実に守り続けてきた唯一無二のシャンパーニュ。クリュッグを代表する「クリュッグ・グランド・キュヴェ」は、10年以上にわたる収穫年の異なる120種類以上のワインをブレンドし、単一年のワインでは表現できない豊かな味わいと香りを生み出しています。

シャンパーニュのQ&A

最後にシャンパーニュに関するナゾや疑問についてお答えしていきます!

赤のシャンパーニュはあるの?

シャンパーニュとして名乗れるのは「白」「ロゼ」だけです。またスパークリングワインではないですが、「コトー・シャンプノワ」というスティルワインが赤ワイン白ワインロゼワインとそれぞれ造られています。ただ生産量はかなり少ないです。

シャンパーニュはなんで高いの?

シャンパーニュはブドウを手摘みで収穫しなければならず、製造においても瓶内二次発酵や、熟成期間の規定など、手間とコストが非常にかかるワインです。そのためシャンパーニュは他のスパークリングワインと比べ値段は高くなりますが、その分とてもおいしい味わいになります。

シャンパーニュも熟成するの?

シャンパーニュも赤ワインや白ワインと同じように熟成します。熟成によって、香りがフレッシュな果実から、コンポート蜂蜜などの複雑なアロマや、ブリオッシュパンの芳ばしい香りなどが生まれ、味わいもさらに深まっていきます。

まとめ

今回はシャンパーニュの基礎知識について解説しました。

シャンパーニュの種類や造り方など、シャンパーニュを知る上で押さえることが色々ありますが、ひとつひとつ理解することでシャンパーニュをより楽しむことができます。

皆さまのこれからの大切なシーンを、ぜひシャンパーニュで飾ってみてはいかがでしょうか。

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