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10分で解説!ボルドーの基礎知識

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こんにちは!ワインソムリエのさくらです。

今回のテーマはフランスの銘醸地「ボルドー」です。

ボルドー地方のワインと言えば、赤ワインのイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

本記事では、ボルドーのブドウ品種から、ワイン産地、格付けなどについて解説しています。

今回の記事でわかること
  • ボルドー地方について
  • ボルドーのブドウ品種
  • ボルドーのワイン産地

ボルドー地方を押さえることで、フランスワインを捉えやすくなりますよ!

気になった方はぜひ最後まで見てくださいね。

ボルドー地方について

フランスの地図

ボルドー地方はフランス南西部に位置する、ブルゴーニュと並ぶフランスの二大銘醸地として知られるワイン産地です。

ボルドー地方は赤ワインの生産量が多く、ボルドー全体の9割を赤ワインが占めています。

またブルゴーニュと違い、複数のブドウをブレンドしてワインを造ることがボルドーの特徴です。

ボルドー右岸と左岸の違い

ボルドーの地図

ボルドー地方にはジロンド河という大きな河が大西洋に向かって流れており、河の上流から見て右側を右岸エリア、左側を左岸エリアと呼んでいます。

右岸と左岸では、それぞれ土壌や造られるワインの特徴が異なります。

右岸左岸
ブドウ品種メルロ主体カベルネ・ソーヴィニヨン主体
土壌粘土質土壌砂利質土壌
ワインの特徴柔らかい果実味のワイン骨格のしっかりしたワイン

ボルドーのブドウ品種

続いてボルドー地方の代表的なブドウ品種をそれぞれ確認していきましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンはブドウの粒が小さく皮が厚い黒ブドウ品種で、酸味とタンニンの豊富さが特徴です。

ワインの香りはブラックベリーやブラックチェリーなどの果実に、黒コショウやハーブ、チョコレートなどの風味を感じます。カベルネ・ソーヴィニヨンから造る赤ワインは、長期熟成向けのものが多いです。

メルロ

メルロはブドウの粒が大きく皮が薄い黒ブドウ品種。酸味とタンニンも控えめで、長期熟成タイプのカベルネ・ソーヴィニヨンと比べて早く飲める品種です。

プラムやチェリーなどのフルーティーなアロマに、熟成が進むとキノコやコーヒーの香りが感じられます。

ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランはフレッシュで爽やかな酸味が特徴の白ブドウ品種で、柑橘類やハーブの香りを持ちます。

ボルドーではセミヨンとブレンドして骨格のしっかりした辛口白ワインを造ります。

セミヨン

セミヨンはボルドー地方が原産の白ブドウ品種です。ブドウの皮が薄く(*)貴腐菌が付きやすいため、ボルドーでは主に(*)貴腐ワインに使用されています。

熟成するとハチミツやトーストしたナッツのようなリッチな風味に変化します。

(*)貴腐菌…ボトリティス・シレネアという菌で、ブドウの皮に付着することで皮が破れ、ブドウの水分が蒸発する。

(*)貴腐ワイン…貴腐化したブドウで造る甘口白ワイン。

ボルドーの産地

ボルドーの地図

それではボルドー地方の主な産地についてそれぞれ解説していきます。

左岸エリア

  • メドック地区
  • グラーヴ地区
  • ソーテルヌ地区

右岸エリア

  • サン・テミリオン地区
  • ポムロール地区

メドック地区

メドック地区はジロンド河の左岸に位置するワイン産地です。砂利質土壌で水はけが良く、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適しています。

メドック地区の中でも上流に位置するオー・メドックは特に有名で、サン・テステフ、ポイヤック、サン・ジュリアン、マルゴーなどの村名A.O.C.が存在しています。

またボルドー地方では、メドック、グラーヴ、ソーテルヌ&バルサック、サン・テミリオンの4つの地区で、それぞれ格付けを行っています。

メドック地区の格付けは、1855年のパリ万博の際にナポレオン3世の要請により制定され、1級から5級まで5つのランクに分けられました。メドックの格付けは全部で61シャトーで、1級シャトーの5つは「五大シャトー」と呼ばれています。

メドックの格付け

グラーヴ地区

グラーヴ地区はガロンヌ河左岸に広がっています。グラーヴはフランス語で「砂利」の意味で、その名の通りメドック地区と同じく砂利質土壌です。

またメドックのA.O.C.は赤ワインのみですが、グラーヴ地区では赤ワインと白ワインが生産されています。

ソーテルヌ&バルサック地区

グラーヴ地区の南部に位置する貴腐ワインで有名なワイン産地です。このエリアに流れるシロン川の影響により、ブドウが貴腐化して糖度の高いワインを造ることができます。

なかでもシャトー・ディケムは世界で最も有名な貴腐ワインとして知られています。

貴腐ワインについてもっと詳しく

ソーテルヌ&バルサック地区では、シロン川の影響で発生する霧によってブドウに貴腐菌が付きます。これによりブドウの皮に穴が空いてブドウの実の水分が蒸発することで、干しブドウのような糖度の高いブドウになります。このブドウを使用することで、甘口の貴腐ワインが出来上がるのです。

ソーテルヌについては、以下の記事でも解説しています。

サン・テミリオン地区

サン・テミリオン地区はドルドーニュ河の右岸に広がるワイン産地。粘土質土壌でメルロの栽培が多いです。

サン・テミリオン地区は1955年に格付けが行われました。基本的には10年ごとに格付けの見直しが行われ、格付けは3階級に分けられています。

ポムロール地区

ポムロール地区もドルドーニュ河の右岸に位置するワイン産地で、サン・テミリオン地区と同じくメルロ品種が主体となります。

格付けは存在しませんが「シャトー・ペトリュス」や「ル・パン」など、1本50万円くらいする高級ワインが造られています。

ボルドーワインとブルゴーニュワインの違い

フランスの二大銘醸地として知られるボルドーとブルゴーニュですが、どのような違いがあるのか解説していきます。

ワインの造り方

ブルゴーニュでは、赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネの単一品種でワインが造られますが、ボルドーは、複数のブドウをブレンドして赤ワイン、白ワインを造ります。

造り手の呼び方

ブルゴーニュでは、ワイン生産者のことを「ドメーヌ」と呼びます。一方でボルドーでは「シャトー(フランス語でお城)」という言い方をします。どちらも生産者のことを表す同じ意味です。

ボトルの形

ボルドーとブルゴーニュではボトルの形状が異なり、ボルドーは「いかり肩」、ブルゴーニュは「なで肩」が特徴となっています。

ボルドーワインは長期熟成によってワインに澱が発生するため、注ぐときに一緒に澱がグラスに入ってしまう場合があります。「いかり肩」の形状だと、澱を肩の部分で止めることができるため、この形のボトルが使用されています。

ボルドーとブルゴーニュのワインボトル

まとめ

今回はボルドーワインについて解説しました。

ボルドーは地区によって味わいが異なります。まずは各エリアの特徴を押さえて、ボルドーのどの地区で造られたワインで、どのブドウ品種が使われているのか思い浮かべながらボルドーワインを飲んでみてください。

好きな産地やお気に入りのシャトーを見つけると、ボルドーワインがより楽しくなりますよ!

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